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親の介護費用の平均は?子どもの負担は?利用できる制度や不足したときの対処法を紹介

更新日:2025.12.9

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親の介護費用がどれくらい必要になるのか、不安に思ったことはありませんか。介護保険があるとはいえ、自己負担額は想像しづらく、また、親の介護費用を子どもがどこまで負担すべきか、気になりながらも確認できていない家族も多いでしょう。

介護には、毎日かかる費用のほか、一時的な出費やまとまった金額が必要な場面も考えられます。親の介護費用で資金繰りが行き詰まらないように、早めに準備を進めておくことが大切です。

本記事では、平均的な親の介護費用、経済的負担を抑える制度、資金に困ったときの対処法などを紹介します。

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親の介護費用の平均は?

親の介護費用は、本人の要介護度や介護を受ける場所などの条件によって異なるため、一概にはいえません。そこで、介護費用の平均額に関するデータを紹介します。

親の介護費用は月平均9万円

生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」によると、介護費用の自己負担額を含めた毎月の介護費用は平均9.0万円です※。

日々かかる費用のほか、住宅のリフォームや介護用ベッドの購入など、介護に関連して一時的にかかる費用の合計は平均47.2万円です※。

また、同データでは介護期間が平均55.0ヶ月(4年7ヶ月)になっており、4年を超える方が全体の約4割に達しています。

仮に月9万円の介護費用を55ヶ月負担したとすれば計495万円、一時的な費用を含めると、介護費用の総額は平均542万2,000円です。

※出典:公益財団法人生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」

親の介護費用は要介護度によっても変わる

親の介護費用に影響する要素のひとつが、要介護認定です。

要介護度認定とは、介護保険における「介護の必要度」を判断する基準です。介護保険は、病気やケガの重さではなく、介護の必要度に応じて利用できるサービスが決まります。

先ほどと同じ生命保険文化センターのデータから、親の介護費用の平均月額を要介護度別に確認しましょう※。

要介護度 要介護状態の目安※ 介護費用の平均月額
要支援1 部分的な支援が必要な状態 5.8万円
要支援2 日常生活に部分的な支援が必要な状態 7.0万円
要介護1 部分的な介護が必要な状態 5.4万円
要介護2 日常生活に部分的な介護が必要な状態 7.5万円
要介護3 ほぼ全面的な介護が必要となる状態 8.5万円
要介護4 介護のない日常生活が困難な状態 12.4万円
要介護5 介護のない日常生活はほぼ不可能な状態 11.3万円
公的介護保険の利用経験なし 4.0万円

このように、要介護認定が上がるほど毎月の介護費用の負担も増しており、要支援1と要介護5ではおよそ2倍の金額差があるとわかります。

※出典:公益財団法人生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」

※出典:厚生労働省「2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~」

親の介護費用は介護する場所による違いも大きい

自宅で介護するか、介護施設を利用するかによっても、必要となる介護費用は変わります。

生命保険文化センターのデータによると、親の介護費用の平均月額は、自宅で介護する場合は5.3万円、介護施設を利用する場合は13.8万円です※。

ただし、このデータはあくまでも平均額です。要介護度や利用する介護施設の環境によって介護保険の自己負担額が変わるため、介護費用にも個人差が生じると考えられます。

例えば、要介護4の場合、介護施設ごとの介護費用と自己負担額の違いは、次のようになっています※。

特別養護老人ホーム 老人保健施設 介護療養型医療施設
介護費用の総額 介護・居住など 27.0万円 29.6万円 38.6万円
食事 6.4万円 6.4万円 6.4万円
自己負担額 介護・居住など 2.7万円 3.0万円 3.9万円
食事 0.9~2.4万円 0.9~2.4万円 0.9~2.4万円

さらに、同じ施設でも大部屋と個室では居住費に差が出る場合もあります。

※出典:公益財団法人生命保険文化センター「2024年度 生命保険に関する全国実態調査(2人以上世帯)」

※出典:厚生労働省「第7回社会保障審議会介護保険部会」

介護保険の居宅サービス支給限度額

自宅で介護保険サービスを利用する場合、サービスの支給限度額は要介護度ごとに決まっています。

要介護度 1ヶ月あたりの支給限度額
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円

支給限度額の範囲内であれば自己負担は1割(所得が一定以上の場合は2~3割)ですが、限度額を超えた超過分は全額自己負担となります。

親の介護費用を無理のない金額にするためには、どんな介護保険サービスをどれくらい利用するか、ケアマネージャーなどと相談のうえ、計画的に決めることが大切です。

親の介護費用は子どもの負担になる?

介護費用は、原則として、介護当事者である本人やその配偶者が準備するものです。

親子には「お互いを扶養する義務(民法877条1項)」がありますが、お互いの生活を同じレベルに保つべきだとする夫婦間の扶養義務とは異なり、親子間の扶養義務は「子どもの生活を犠牲にしない程度の援助(生活扶助)」と解釈されています。

つまり、生活を著しく圧迫するような場合を除き、法的に一律に介護費用の負担を義務づけられるものではありません。

ただし、介護施設のなかには、入所時などに保証人を求めるところも一定割合存在します。保証人になると、親が介護費用を支払えなくなったとき、費用負担を求められる可能性もあります。

親や介護施設から保証人を頼まれたときは、ケアマネージャーなどに相談し、慎重に対応しましょう。

親の介護費用を家族や兄弟で検討するときのポイント

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民法上、子どもには親の介護費用を負担する義務はないとしても、ご自身の親に介護への不安なく老後を過ごしてもらいたいと考える方がほとんどでしょう。また、兄弟姉妹がいる場合は、親の介護費用について、お互いの意思を確認し合うことも必要です。

ここでは、親の介護費用を家族や兄弟で検討する時のポイントを紹介します。

親が元気なうちに経済状況を確認しておく

介護が始まってから介護費用の不足に直面すると、子どもとしては親を放っておけず、経済的に苦しくても費用を負担せざるを得ない状況もありえるでしょう。

親の介護が始まるタイミングは予測できません。いつ介護となっても慌てることがないように、親が元気なうちに、経済状況や書類の保管場所など、経済状況を把握しておくことが大切です。

  • 預貯金や株式、保険などの資産
  • 日頃の生活費による支出
  • 健康保険証や預金通帳など重要書類の保管場所

親の経済状況を把握しておくと、介護保険サービスを選択するときの判断材料にもなります。

子ども世代のうち、両親が介護への備えをしているかを把握しているのは、全体のわずか2割とのデータもあります。資産や介護は話しづらいテーマですが、ご自身の介護保険料の支払いが始まる40歳を目安に、親子で話し合っておくことをおすすめします。

親に介護に対する考え方や希望を聞いておく

親とお金や介護の話をするときには、経済状況に加え、介護になったときにどのような暮らし方を望んでいるのか、親の考え方や希望を聞いておくのも大切です。親が子どもに介護を望んでいるのか、どの程度まで期待しているのか、子どもの立場で対応できるかどうかなど、お互いの介護に対する考えを理解する機会ともなるでしょう。

介護には在宅や施設への通所・入所、利用するサービスの内容や利用回数など、選択肢がさまざまあります。親の介護費用は、どのような介護を希望するかによって変わります。

親の介護に対する意向を確認したら、それに見合う介護施設やサービスを調べておいて、介護費用の目安をつかんでおくと、よりあんしんです。

兄弟姉妹や配偶者と話し合っておく

介護に関わる可能性のある兄弟姉妹や配偶者とは、親の介護を話し合っておきましょう。

兄弟姉妹とはいえ、暮らす場所、仕事や育児への関わりなど置かれている状況は異なります。それぞれの状況や要望を伝え合い、最終的に親の介護における役割分担を決めましょう。

また、責任者を一人決めておくと、時間をかけずに決断を下しやすくなりますが、介護費用を含め、介護の負担が一人に集中しないように心がけることも大切です。

親の介護費用にかかる負担を抑える制度やサービス

介護にかかる経済的負担を抑える制度やサービスを利用して、親の介護費用を軽減することも可能です。ここで紹介する制度やサービスを上手に活用しましょう。

介護保険負担限度額認定

介護保険負担限度額認定は低所得者世帯を対象とした制度で、介護保険施設(介護老人福祉施設・介護保険老人保健施設・介護医療院)への入所、ショートステイ(短期入所)を利用するときの負担限度額を認定し、当事者が支払う食費・居住費を軽減します。

認定を受けるにはお住まいの自治体へ申請のうえ、介護保険負担限度額認定証と決定通知を受取る必要があります。

高額介護(高額介護予防)サービス費

高額介護(高額介護予防)サービス費は、介護保険サービスの1ヶ月の利用者負担額が介護保険の1割負担相当額を超えたとき、超過分が払い戻される制度です。対象は要介護・要支援の認定者で、福祉用具の購入費や食費・居住費など一部の費用は除きます。

負担上限額は、所得に応じて15,000~140,100円までとなっており、高所得者も対象に含まれます。自治体へ申請して支給を受けましょう。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度とは、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間、医療保険と介護保険のどちらも自己負担が生じたとき、合算額が高額だった方を対象に負担を軽減する制度です。制度の利用には、自治体への申請が必要です。

例えば、年収が約370~770万円の方は、自己負担上限額が年67万円となっています。そのため、医療保険と介護保険の自己負担額の合算が100万円だった場合、33万円が払い戻されます。

高額介護(高額介護予防)サービス費とも併用可能ですが、自己負担額を合算したあと、自治体からの給付金や高額療養費制度の給付金などを控除する必要があります。また、所得によっては、70歳未満と70歳以上で自己負担上限額が変わる場合もあります。

介護費用の医療費控除

介護費用の多くは、確定申告で医療費控除の対象となります。

医療費控除とは所得控除の一種で、1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えたときに受けられるものです。

「1年間に支払った医療費」-「10万円または所得金額の5%のいずれか少ない方」=医療費控除額(上限金額200万円)

医療費控除の医療費には、ご自身だけではなく、同じ医療保険に加入する家族、生計をともにする親族の支払う医療費も合算できます。

ただし、すべての介護費用が医療費控除の対象となるわけではありません。たとえば、介護ベッドの購入やレンタル代は、医師の指示がある場合など一定の条件を満たすと対象になりますが、単なる生活改善目的で使用する場合などは対象外となることがあります。

親の介護費用が不足したときの対処法

事前に話し合っていてもいなくても、病気やケガ、介護の状態などによって、親の介護費用が想定外になることもあるでしょう。そこで、親の介護費用が不足しているとわかったとき、とっさの資金調達につながる対処法を紹介します。

自治体の介護費用助成制度を利用する

介護費用を助成する制度を独自に提供している自治体もあります。

具体的には、介護保険を使わずに在宅介護をする家族に年額10万~12万円を助成する制度、対象となる介護保険サービスを利用する際に自己負担額の一定割合を助成する制度などがあります。

制度の有無や内容は自治体により異なるため、詳しくは自治体の窓口へ問い合わせておきましょう。

介護ローンを申込む

介護ローンは、介護を目的としてお金を借入れる金融商品です。目的が限定されている分、一般的なフリーローンよりも、金利の上限が低く、返済期間は長めに設定されている商品が多い傾向です。

利用するにはローンを提供している金融機関に申込み、審査に通る必要はありますが、担保を不要とする商品が多く、申込みのハードルは低めです。

気軽に申込みやすい介護ローンですが、金利や返済額、返済期間などを把握したうえ、無理のない借入れをすることが重要です。また、介護は先の見通しを立てにくいため、借入れた金額では足りなくなる事態も考慮しなければなりません。

リバースモーゲージで持ち家を担保に融資を受ける

リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして、金融機関から融資を受ける仕組みです。持ち家の評価額を上限としたまとまった借入れが可能で、一括でも年金形式でも受取れます。

また、リバースモーゲージは、介護ローンとは違い、毎月の返済は不要(もしくは利息の返済のみ)です。一般的に、契約者(または同じ家で暮らす配偶者)が亡くなると、持ち家を売却して融資を一括返済します。

持ち家の売却代金によっては融資を完済できない場合もありますが、近年は売却代金に関わらず、相続人に債務が請求されないノンリコース型が主流です。ただし、金融機関や契約内容によって異なるため、詳細を確認しましょう。

また、リバースモーゲージの利用によって家を相続できなくなることが相続トラブルを招く可能性もあるため、事前に相続人全員の同意を得るなどの注意が必要です。

リースバックで持ち家を活用して資金調達する

持ち家を活用した資金調達法には、リバースモーゲージ以外に、リースバックもよく知られています。リースバックは持ち家の売却代金を資金とし、売却先であるリースバック事業者に賃料を支払うことで、同じ住まいでの暮らしを続けられる仕組みです。

契約と同時に不動産の売買契約が成立するため、買い手を探さなければならない一般的な不動産売買に比べて、資金の準備をスムーズに行えます。

売却後は、引越しや修繕費や税金などの維持管理コストの負担なく、同じ家での暮らしを維持できます。さらに、リバースモーゲージとは違い、将来の買い戻しを選択肢に残せる可能性もあります。

しかし、通常の賃貸借契約と同様、賃料の支払いが困難になれば、退去を迫られる可能性がある点を考慮しておきましょう。

また、介護目的で売却した場合、自宅をバリアフリーに改造したくても所有者の承諾が必要な点に注意が必要です。

親の介護費用の準備には、まとまった資金とさまざまな選択肢を手にできるリースバックがおすすめ

親の介護費用が、いつ・いくら・いつまで必要になるのか、予測を立てることは困難です。ムリのない範囲である程度まとまった資金を準備しておき、介護の状況や親の希望する介護サービスなどから臨機応変に対応する姿勢が理想でしょう。

親の預貯金などで介護費用に備えるのが難しい場合、リースバックの活用がおすすめです。リースバックであれば、持ち家での変わらぬ暮らしを守りながら、売却代金でまとまった資金を手にできます。

リースバックで手にした資金は利用目的を問われないため、自宅での介護保険サービスで使う、高齢者施設への入所費用に充てるなど、親の介護費用にも柔軟に役立てられるでしょう。

さらに、契約によっては将来の家の買い戻しも可能なため、介護の状態や親の意向に合わせて、自宅を買い戻す決断もできます。

ただし、リースバック時の買取相場は通常売却と比較して金額が下がるなど注意点もあるので慎重な検討が求められます。

親の介護費用への備えとしてAG住まいるリースバックを検討しよう

親の介護費用は月あたり平均9万円とのデータがあり、平均的な介護期間55.0ヶ月で換算すると、約500万円になります。

子どもには子育て世代も多く、親の介護費用の捻出に頭を悩ませるケースも珍しくありません。

ただし、子どもの親に対する扶養義務は「相互扶助」の意味合いが強く、原則として親の介護費用は当事者である親本人が支払うべきものと考えてよいでしょう。

とはいえ、ゆとりある生活を送り、健康に自信のある親でも、いつ介護状態に陥るかは予測できません。介護保険料の支払いが始まる40歳を目途に、家族全員で親の介護や費用を話し合っておくことが大切です。

話し合いにあたっては、介護費用の負担を抑えるのに役立つ公的な制度やサービスを調べておきましょう。また、親の預貯金や年金額のほか、子どもの援助だけでは親の介護費用を賄えなくなったときに備えて、対処法も考えておくとあんしんです。

親の介護費用を準備する場合は、AG住まいるリースバックがおすすめです。

AG住まいるリースバックは、東証プライム上場のアイフルのグループ会社で、住宅ローン返済中の物件にも対応するなど、お客様の希望にそった契約をサポートしています。リースバック契約後の不安にも、電話での無料相談でお答えします。

まずは机上査定(仮査定)をお試しいただき、親の介護費用に備えられる資金を準備できるか、ぜひシミュレーションしてください。お客様からの申出があれば、自宅を訪問しての本査定も実施します。

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    • 監修者
      • 監修者:新井 智美
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    • ファイナンシャルプランナー。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。これまでの執筆・監修実績は3,000本以上。
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