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固定資産税が払えないとどうなる?発生する延滞金や5つの対処法を解説
更新日:2024.09.24
住居をご自身で所有している場合は、土地や建物に対して毎年固定資産税が課されます。収入が減少した時や災害に遭った時は手元の資金に余裕がなくなり、固定資産税を払えない状況になる可能性が考えられます。
本記事では、固定資産税を払えない場合に行われる手続きを解説します。固定資産税を滞納した時の延滞金、徴収猶予や換価の猶予など、事情があって固定資産税を払えない方への制度も併せて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
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固定資産税を払えないとどうなる?
固定資産税が払えない状態が続くと、市町村(東京23区は東京都)では段階的に催告や滞納処分の手続きが行われます。手続きの流れは次のとおりです。
- 督促状が届く
- 財産調査が行われる
- 財産が差し押さえられる
- 財産の公売や取立てがなされる
最終的には財産が差し押さえられる場合があるため、できるだけ早く対処しましょう。各手続きの詳しい内容を紹介します。
①督促状が届く
固定資産税を納期限内に納付できない場合、対象となる資産のある市町村から督促状が送付されます。督促状は、地方税法で納期限後20日以内の送付が義務付けられた書類です。
固定資産税を支払い忘れていた、納期限を勘違いしていたといった場合は、督促状が届いたらすぐに固定資産税を納付しましょう。
督促状が届いたあとも固定資産税が納付されない場合、市町村から催告状が送付されます。市町村によっては、滞納されている方への電話や訪問による催告が行われる場合もあります。
なお、督促状が届いた後に固定資産税を納付する場合、督促手数料(100円)や延滞金が加算される場合もあるため、注意しましょう。延滞金の詳細は後述しているので、併せてご確認ください。
②財産調査が行われる
法律では、督促状を発した日から起算して10日を経過しても固定資産税が納付されない場合、財産を差し押さえなければならないとしています。財産を差し押さえ、場合によっては公売する一連の流れは「滞納処分」と呼ばれる強制的な徴収手続きです。
督促状の送付や催告が行われても固定資産税が納付されない場合、市町村は滞納している方の財産調査を実施します。
財産調査の対象は、勤務先や取引先、官公署や金融機関、生命保険会社や通信会社、滞納している方の財産を占有している第三者などです。対象となる財産には、給与や預貯金、自動車や生命保険、不動産や動産、売掛金などが挙げられます。
滞納処分の財産調査は、国税徴収法第141条、第142条から第147条までの規定に基づく手続きです。財産調査は、滞納されている方の事前の了承を得ることなく行えます。
③財産が差し押さえられる
財産調査で差し押さえる財産が決定され、この段階でも固定資産税が納付されない場合、財産の差し押さえが実施されます。
たとえば、給与や預貯金の差し押さえの場合は、勤務先または口座のある金融機関へ差押通知書が送付されます。不動産の場合は、登記簿上の権利者に差押通知書が送付され、その後の売買や贈与が禁止される仕組みです。
差し押さえの対象には、電化製品や宝石、絵画などの動産も含まれます。金銭的価値があり、換価が可能なものはすべて差し押さえの対象となるため注意しましょう。
④財産の公売や取立てがなされる
差し押さえられた財産は、公売や取立ての手続きで現金へと換価され、滞納している固定資産税に充てられます。
公売は、差し押さえた自宅の土地や建物、自動車、貴金属を入札などの方法で売却する手続きです。給与や預貯金、生命保険などの債権は、取立ての手続きで強制的に徴収されます。
固定資産税を払えないと発生する延滞金
固定資産税を払えないと、納期限の翌日から延滞金が発生します。延滞金の計算方法は次のとおりです。
- 延滞金=固定資産税額×延滞日数×延滞金の割合÷365
延滞金は、固定資産税の金額に延滞日数と延滞金の割合をかけ、365日(うるう年の場合も365日)で割って計算します。
注意点は、延滞金の割合は延滞した期間によって異なる点です。2024年中の場合は、納期限後1ヵ月以内は年2.4%、納期限後1ヵ月が経過した後は年8.7%の割合が適用されます。
たとえば、2024年6月30日が納期限の固定資産税100,000円を100日間滞納した場合を考えてみましょう。延滞金の計算例は次のとおりです。
滞納した期間 | 延滞金の計算例 |
---|---|
2024年7月1日から2024年7月31日までの期間(31日間) | 100,000円×31日×0.024÷365=約203円(1円未満の端数切捨) |
残りの期間(69日間) | 100,000円×69日×0.087÷365=約1,644円(1円未満の端数切捨) |
合計 | 1,800円(100円未満の端数切捨) |
延滞期間が長くなると、延滞日数だけでなく延滞金の割合も高くなる点に注意しましょう。
なお、延滞金の割合は2000年1月1日以降特例が適用されており、適用される割合は毎年見直されています。
固定資産税が払えない場合の対処法5つ
固定資産税が払えない状態が続くと、滞納処分の手続きが行われるほか、延滞金が加算されます。何らかの理由で固定資産税を払えない時は、次の対処法を試しましょう。
- お住まいの自治体の窓口に相談する
- 徴収猶予を申請する
- 換価の猶予を申請する
- 災害などによる納期限の延長を申請する
- 減免を申請する
各対処法の詳細を解説します。
①お住まいの自治体の窓口に相談する
固定資産税を払うための資金的な余裕がない時は、早めにお住まいの自治体の窓口で相談しましょう。
何らかの事情で固定資産税を払えない場合、徴収猶予や換価の猶予などの制度を利用できる場合があります。
ご自身のケースで各制度を利用できるのか、どのような手続きが必要なのかを知るためにも、固定資産税を払えない状況にあるとわかった時点で相談することをおすすめします。
②徴収猶予を申請する
徴収猶予は一定の要件を満たす場合に最長1年間、固定資産税の徴収が猶予される制度です。徴収猶予が受けられる要件には、たとえば次のケースが挙げられます。
- 財産の盗難に遭った
- 財産が災害で損害を受けた
- 納税者や生計を一にする家族が病気にかかり、多額の費用がかかった
- 事業を廃止した
- 事業で著しい損失が生じた
なお、猶予の要件に該当する事実が盗難や災害、病気などの場合は、猶予期間中は延滞金が免除されます。事業の廃止や損失などの場合、延滞金は一部が免除されることがあります。
③換価の猶予を申請する
「換価の猶予」は、すでに差し押さえられた財産の売却や取立てが猶予される制度です。
固定資産税を納付すると生活の維持が困難になる、事業が継続できなくなる可能性がある場合、新たな差し押さえが猶予されたり、差し押さえが解除されたりする場合があります。
なお、換価の猶予は申請手続きが必要であり、申請の期限は納期限から原則6カ月以内です。猶予を希望する場合は各自治体のホームページなどで申請基準を確認したうえで、期限が過ぎないように早めに申請しましょう。
④災害などによる納期限の延長を申請する
台風や洪水、地震などのやむを得ない理由がある場合、各自治体では納期限の延長に対応していることがあります。
災害に遭った時は、日々の暮らしや生活環境の復旧に時間がかかる場合があります。場合によっては、移動や通信も困難になるでしょう。そのような場合は、災害などの理由が収束してから速やかに納期限の延長を相談してみましょう。
⑤減免を申請する
災害に遭った場合や生活保護法の生活扶助を受けている場合などは、固定資産税の減免を受けられる場合があります。
減免の対象となるのは、災害や天候不順で収穫が大幅に減少した田畑、災害によって損害を受けた土地や家屋、生活扶助を受けている方の土地や家屋などです。減免を受けたい時は、自治体の窓口に必要な書類を提出しましょう。
固定資産税を払えない時は早めに窓口で相談しよう
自宅の固定資産税を払えないままでいると、自治体から督促状や催告状が送付されます。督促状や催告状の送付を受けても固定資産税を延滞した場合、財産の差し押さえや換価がなされる場合もあるので注意が必要です。
自治体では、何らかの事情があって固定資産税を払えない方へ向けて、徴収猶予や換価の猶予を設けています。それぞれ申請が必要な手続きであるため、固定資産税を払えない状況になった場合は早めにお住まいの自治体の窓口で相談しましょう。
なお、固定資産税を含め、自宅の維持には費用がかかります。住宅ローンの返済を抱えている場合もあるでしょう。自宅の維持が負担だが住み慣れた環境を変えたくない方は、「リースバック」の活用もご検討ください。
リースバックは自宅を売却して現金化し、その後は家賃のお支払いでそのまま住み続ける仕組みです。自宅を売却した代金を受取れ、生活資金やローンの返済に充てられます。
売却した後もこれまで通り住み続けられるうえに、固定資産税や都市計画税といった税金を支払う必要がなくなるのも大きなメリットです。
リースバック後は所有権がリースバック事業者へと移りますが、買戻し特約を設けることで将来的な買い戻しが可能な場合もあります。
AG住まいるリースバックでは、WEBでの無料査定や資料請求を受け付けています。フリーダイヤル(0120-890-411、平日9:30~18:00)での相談も可能です。リースバックに興味のある方は、ぜひAG住まいるリースバックにお問合せください。
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- 監修者:鳥谷 威
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- プロフィール:
- 有限会社バード商会 代表取締役。
得意分野は、家計管理と資産形成。福岡の大学を卒業後、大手ガス会社にてご家庭のガス代や電気代の削減業務に約4年間従事。クレカ請求業務も経験。現役世代の家計を『今より豊かにしたい』という想いでFPを志し、約3年かけてCFP®資格を取得。現在は、各種金融メディアでの執筆・監修業務も行いながら、日本FP協会支部での相談員としても活動中とくに20代や30代の同世代に、早いうちから家計の見直しや資産形成の大切さを伝えたく、日々奮闘中。 - 資格情報:
- CFP®認定者、1級FP技能士、証券外務員Ⅰ種、DCプランナー2級
- HP:https://financialplanertk2021.com/