関連記事
リバースモーゲージとリースバックを徹底比較!特徴や向いているケースを解説
ずっと住めるリースバック|AG住まいるリースバック
リースバックとは、ご所有の不動産を売却しても、
新たな所有者との賃貸契約を結ぶことで、
賃料を支払いながら引き続きその不動産に
住み続けることができます。
また、将来的に
買い戻しができる点も魅力のシステムです。
更新日:2024.04.15
リバースモーゲージは、自宅を担保にして金融機関などからまとまった融資を受けられる仕組みです。
退職後に年金暮らしが始まると、なんらかの理由でお金が必要になっても調達が困難になります。定年を過ぎた方にとって、資金調達の選択肢の1つとして利用できるのがリバースモーゲージです。
しかし、リバースモーゲージが便利な仕組みであるとはいえ、大切な自宅を担保とするローンのため安易に利用せず、あらかじめ仕組みを理解しておくことが重要です。
本記事では、リバースモーゲージの仕組みや条件、メリットとデメリットなどを詳しく解説します。
リースバックをご検討の方へ
リバースモーゲージとは、「自宅の土地や建物を担保にして自宅に住み続けながら資金を借入れる仕組み」です。
1980年代、一部自治体による福祉サービスとして登場したのがリバースモーゲージの始まりです。内容は自宅を持つシニア世代を対象とした生活資金の融資制度で、その後、同じ仕組みのローン商品が民間の金融機関でも販売されるようになりました。
当初はバブル崩壊後の地価下落もあり、あまり利用が進まなかったリバースモーゲージですが、豊かな老後生活のための資産活用を考える方が増え、取扱う金融機関が年々増えています。
現在は公的機関である社会福祉協議会のほか、銀行や信託銀行、信用金庫など民間の金融機関でさまざまな商品が提供されています。
金融機関や商品により異なりますが、リバースモーゲージの基本的な仕組みは次の通りです。
夫婦で暮らす自宅を担保とする場合には、契約者が亡くなったあとに配偶者が契約を引き継げる、毎月の利息分の返済を不要とするなど、家族構成やライフプランにあわせて柔軟に契約が可能な商品もあります。
リバースモーゲージと住宅ローンのどちらも「自宅に関わるローン」という共通点はありますが、実際はまったく異なる商品です。特に、返済方法には大きな違いがあります。
手段 | 返済方法 |
---|---|
住宅ローン | 借りたお金で自宅を購入し、購入した自宅を担保にして毎月元本と利息を少しずつ返済する。 |
リバースモーゲージ | 所有している自宅を担保にお金を借り、自宅での生活を続けながら毎月利息分のみ返済する。契約者が亡くなったあとに自宅の売却によって一括返済する |
コツコツと返済を続ける住宅ローンに対して、リバースモーゲージは契約者が亡くなってから一括で返済をします。
リバースモーゲージは通常、担保とした自宅を売却してローンを一括返済しますが、売却金額によっては完済できない場合もあります。
その際に担保となった自宅の相続人への負担の有無に応じて、「リコース型」と「ノンリコース型」の2種類に分かれます。
それぞれの違いは、次の通りです。
リコース型 | ノンリコース型 | |
---|---|---|
自宅売却後に残った債務の返済義務 | あり | なし |
ローン金利 | 低い | 高い |
リコース型だと自宅を相続した方に債務が請求されるため、相続人に思わぬ負担となる恐れがあります。
一方、ノンリコース型はローンを完済できなくても相続人に返済義務が生じません。その代わり、リコース型よりもローン金利は高めの傾向で、毎月支払う利息の負担が重くなる可能性があります。
ノンリコース型は、住宅金融支援機構と民間の金融機関の提携による「リ・バース60」で、2017年にはじめて導入されました。
ノンリコース型への期待は大きく、「リ・バース60」の申請件数は2017年の174件に対して2018年は350件へ飛躍的に増え、さらに2018年の申請のうち82%がノンリコース型です。
リバースモーゲージの利用には、一定の条件を満たす必要があります。住宅ローンに比べると条件が細かく、公的機関の提供サービスや住宅金融支援機構「リ・バース60」、民間の金融機関の独自商品と、それぞれに詳細は異なるためよく確認しましょう。それぞれの違いは、下表の通りです。
公的機関の不動産担保型生活資金 | 一般的なリバースモーゲージ | リ・バース60 | |
---|---|---|---|
対象者 | 原則65歳以上だけで構成される住民税非課税世帯 | 原則60~65歳以上で持ち家に単身もしくは夫婦で住む方 | 原則60歳以上で申込み時点での住宅所有の有無は問われない(今後取得する住宅も対象)
※満50歳以上満60歳未満の方も利用できるが、融資の限度額が異なる |
対象物件 | 評価額1,000万円以上の戸建住宅 | 新耐震基準相当の耐震性能のある戸建住宅またはマンション | 戸建住宅またはマンション(長期優良住宅は評価額が高め) |
融資額 | 担保不動産評価額の70%以内かつ1ヵ月あたり30万円以内 | 担保不動産評価額の50~60%ほど ※年金形式または一時金として受取り |
担保不動産評価額の50~65%かつ8,000万円以下 ※一括借入れのみ |
使いみち | 老後の生活資金に限定 | 自由(事業・投資目的を除く) | 住宅関連に限定(住み替えやリフォーム、住宅ローン返済、老人ホームの入居資金など) |
返済方法 | 契約者の死亡から3ヵ月以内に一括返済 | 毎月の返済は利息のみで、契約者の死亡後に一括返済 | 毎月の返済は利息のみで、契約者の死亡後に一括返済 |
相続人の同意 | 相続人のうち1名以上の同意が必要 | 原則として必要 | 原則として必要 |
連帯保証人の有無 | 必要 | 必要な場合もある | 必要な場合もある |
厚生労働省や地方自治体による不動産担保型生活資金は自宅の評価額が低くても利用しやすいですが、福祉サービスの一環であり、生活資金に困った高齢世帯のみが対象です。
また、「リ・バース60」はリバースモーゲージ型住宅ローンとも呼ばれ、住宅関連に使いみちを制限されます。
一般的なリバースモーゲージは資金の使いみちが自由ですが、対象とする不動産の制限が厳しく、利用したくても利用できない可能性もあります。
リバースモーゲージを利用する場合は、どんなメリットが期待されるのかを確認しましょう。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
まとまった資金を調達するために、自宅の売却を検討する方もいるかもしれません。しかし、自宅を売却すると大切な住まいを失うリスクを生じます。
リバースモーゲージであれば、担保として提供して資金を調達したあとも、自宅でそれまでと変わらない生活を続けられます。高齢化が進み、リタイア後の生活が長くなるなか、住まいへの不安なく老後資金の悩みを解消できるかもしれません。
リバースモーゲージは、契約者が亡くなったあと、担保不動産の売却によって元金を一括返済する仕組みです。
契約者の生存中は元金の返済が猶予されて毎月の支払いは利息のみとなるため、一般的な不動産担保ローンに比べて返済にかかる負担を抑えられます。
商品や契約内容によっては、毎月の利息の返済が不要な場合もあります。
自宅を担保とするリバースモーゲージでは、契約者が亡くなっても配偶者が契約を引き継いて、自宅に住み続けられるのが一般的です。
ただし商品によっては、配偶者に対して契約の再審査が必要な場合や住み続けられる期間に制限がある場合もあるため、契約内容をよく確認しましょう。
リバースモーゲージには、自宅の売却のほかにも、現金一括払いや繰上げ返済の元金の返済方法があります。
早いうちに一括返済できるだけの資金を用意すると、自宅を売却する必要がなく、相続人は自宅を引き継げます。また、将来的に子どもに債務を残したくない場合は、繰上げ返済を活用して借入残高を減らすことも可能です。
また、相続人となる子どもがいない場合は、自宅売却を選んで資産を整理するほうがよいケースもあります。
リバースモーゲージは、大切な自宅を担保とした、比較的長期にわたって続くローンです。契約後に困らないように、想定されるデメリットを把握することが大切です。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
リバースモーゲージを利用するためには、年齢をはじめ、さまざまな融資条件をクリアしなければならず、利用までのハードルが高く感じられるかもしれません。
さらに、細かな条件は金融機関や商品ごとに異なります。金融機関が提供するリバースモーゲージの場合、対象となる不動産のエリアを都心部に限定されるケースも珍しくなく、商品の選択肢が狭まる可能性もあります。
また、通常、担保となる自宅の推定相続人からの同意がいるため、契約前に相続人からの理解を得ておく必要もあります。
リバースモーゲージの契約中に担保不動産の評価額が変動する可能性がある点はデメリットのひとつでしょう。大きく下落すると契約中でも融資限度額を見直されることも考えられます。
たとえば、年間200万円を借入れる予定でリバースモーゲージを契約し、評価額が2,000万円から1,200万円に下がった場合、当初10年のはずがわずか6年で融資限度額に達してしまいます。
また、借入金額が評価額を超えると、いわゆる「担保割れ」の状態となって差額の返済を求められる可能性もあります。
リバースモーゲージでは「変動金利」を採用しています。そのため、借入期間中に適用金利が上昇して、毎月の利息の返済金額が増える可能性があります。なお、変動金利とは借入期間中に適用される金利が変動することです。
毎月の利息の支払いが安定しなければ、年金生活のシニア世代はとくに不安に思われるでしょう。契約時の適用金利だけではなく、将来の金利変動を見据えて余裕を持った資金計画を立てることが大切です。
リバースモーゲージにはさまざまなメリットとデメリットがあり、魅力を感じるものの利用を決断できない方もいるでしょう。
具体的には、以下のような目的や状況に当てはまる方におすすめできます。
高齢化が進んだ日本では、老後の生活資金が「長生きリスク」として社会問題化しています。リバースモーゲージは、退職後のまとまった生活資金の調達に適しています。
また、自宅の老朽化やバリアフリー住宅への改修を理由に、家をリフォームしたいと考える方もいるでしょう。工事費の調達にもリバースモーゲージは活用できます。
老人ホームへの入居費用を調達したい方にもおすすめです。毎月の利用料とまとまった一時金の用意ができるだけでなく、夫婦のどちらかが入居する場合でも残る配偶者の住まいを維持できます。
退職後の毎月の住宅ローン返済金額を減らしたい方も、リバースモーゲージを活用で毎月の負担が少なくなるかもしれません。
自宅を相続する子どもがいないなどの理由で家を残す必要がない場合も、リバースモーゲージを活用すれば、ご自身が亡くなったあとに自宅の売却を金融機関に任せられます。
リバースモーゲージと同じように自宅を活用した資金調達法の1つに、「リースバック」があります。
リースバックは自宅の売却代金を一括で受取り、リースバック業者と賃貸借契約を交わして、家賃を支払って自宅に住み続ける仕組みです。
まとまった資金を調達できる、自宅に住み続けられるなどリバースモーゲージとの共通点もありますが、自宅の所有権がリースバック業者に移る点やローン商品ではない点など、さまざまな違いがあります。
リバースモーゲージとリースバックの違いを把握しておくと、よりよい選択につなげられるでしょう。
なお、両者の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
リースバックには主に次のようなメリットがあります。
リースバックはリバースモーゲージのようなローン商品ではないため、金利上昇や不動産担保評価額の変動に頭を悩ませる必要がありません。
ほかにも、抵当権のない不動産を対象とするリバースモーゲージに対して、リースバックでは抵当権の有無を問われないなど、利用するための要件も異なります。ただし、オーバーローンの場合は抵当権を抹消できず、リースバックを利用できない可能性があります。
リースバックのメリットをより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
リースバックの利用にはいくつかのデメリットも考えられます。
リースバックでは所有権がリースバック業者に移ります。そのため、リフォームなどを自由に行えなくなり、また、賃貸借契約が終われば退去しなければなりません。
また、通常の売却に比べて売却価格が低い傾向がある点、リースバック後は毎月家賃の支払いがある点などにも注意が必要です。
リースバックのデメリットをより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
リバースモーゲージはシニア世代向けの資金調達法で、自宅を担保にお金を借入れる仕組みです。毎月の返済は利息のみで、元金は亡くなったあとに自宅の売却で一括返済されるため、リタイア後の生活に想定されるリスクを抑えて資金を調達できます。
ただし、融資を受けるには細かな条件をクリアする必要があります。申込み前に金融機関や商品ごとの違いを詳しく確認しましょう。
なお、自宅をお持ちの場合はリースバックによる資金調達も選択肢となるため、リバースモーゲージと同時に検討し、ご自身に合った手段を選択しましょう。
AG住まいるリースバックのリースバックは、住宅ローン返済中でも申込み可能です※。将来の買戻しにも対応するなど、大切な資産を状況に合わせて柔軟に活用できるので、まずはお気軽にご相談ください。
※ 残債金額により取扱いできない場合があります。