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国民年金の未納期間がある場合どうなる?追納や年金を増やす方法も解説

更新日:2025.12.24

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国民年金の未納期間があると、将来の年金額が減ったり、受給できなくなったりする可能性があります。

しかし、早い段階で対処すれば、年金額を増やすことが可能です。

本記事では、国民年金の未納期間がある場合に起こることや対処法を解説します。将来の年金額を増やす方法や、老後に向けて備える方法もあわせて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

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国民年金の未納期間があるとどうなる?

国民年金(基礎年金)とは、20歳以上60歳未満の全国民が加入して保険料を納め、原則として65歳から老齢基礎年金を受取れる公的年金制度です。 20歳から60歳までの40年間の保険料をすべて納めた場合、満額の老齢基礎年金を受給できます。

2025年分の老齢基礎年金額は、満額で831,700円(月額69,308円)です※。

国民年金の未納期間がある場合、以下の影響が生じる可能性があります。

  • 年金受給資格を満たさない可能性がある
  • 将来受取る年金額が減る
  • 長期未納は財産差押えのリスクがある

※ 1956年4月1日以前生まれの方は、満額829,300円です。

※ 出典:厚生労働省「公的年金ってどんな制度なんだっけ?」

※ 出典:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」

年金受給資格を満たさない可能性がある

老齢基礎年金を受給するには、10年(120月)以上の受給資格期間が必要です。受給資格期間とは、年金を受けるために必要な加入期間で、保険料が免除された期間や合算対象期間も含まれます。

  • 受給資格期間=保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間

なお、合算対象期間は年金額には反映されない期間で、海外に住んでいた期間などが該当します。

免除を受けた期間は受給資格期間に含まれますが、未納期間は含まれません。未納期間があり、受給資格期間が10年に満たない場合、老齢基礎年金の受給額は0円となります。

※ 出典:公益財団法人 生命保険文化センター「公的年金の受給資格期間とは?」

将来受取る年金額が減る

老齢基礎年金の受給額は、納付した期間に応じて決まります。計算式は以下のとおりです。

  • 老齢基礎年金の受給額 = 老齢基礎年金の満額×(保険料納付済月数+(全額免除月数×2分の1)+(4分の3免除月数×8分の5)+(半額免除月数×4分の3)+(4分の1免除月数×8分の7))÷480月

上記の式からわかるとおり、未納期間は年金額に反映されないため、未納があると将来の年金額が少なくなります。

また、免除を受けた期間は年金額に反映されますが、その期間や種類に応じて年金額が減額されます。

※ 出典:日本年金機構「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額」

障害基礎年金・遺族基礎年金を受給できない可能性がある

障害基礎年金や遺族基礎年金にも、国民年金保険料の納付要件が設けられています。

障害基礎年金 病気やけがで障害が残った場合に受給できる年金
遺族基礎年金 被保険者が死亡した際に遺族が受給できる年金

たとえば、障害基礎年金を受給するには、以下のいずれかの保険料納付要件を満たさなければなりません。

  • 初診月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間、保険料が納付または免除されている
  • 初診日時点の年齢が65歳未満で、初診月の前々月までの1年間に保険料の未納がない

未納期間があると、いざというときにこれらの年金を受給できない可能性があります。

※出典:日本年金機構「障害年金」

長期未納は財産差押えのリスクがある

国民年金は、原則として20歳以上60歳未満のすべての方が加入する制度で、保険料の納付は国民の義務です。

保険料を納めない場合、電話や文書による納付勧奨や督促が行われ、特に所得が高いにも関わらず長期的に未納を続けると、最終的には財産を差し押さえられる可能性があります。

財産の差押えとは、裁判所を通じて財産(給与や預貯金、不動産など)の処分を禁止することです。差し押さえられた財産は、換価されるなどして未納の保険料に充てられます。

また、督促状に記載された期限までに納付しない場合は、納付するまでの日数に応じた延滞金も発生します。

※出典:日本年金機構「日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)」

国民年金保険料の未納がある場合の対処法

国民年金保険料は、納付期限から2年を過ぎると後から納められなくなります。 未納がある場合は、ご自身の状況に応じて早めに対処しましょう。

  • 未納分を追納・納付する
  • 納付が困難な場合は免除・猶予を申請する

※ 出典:大分市「国民年金保険料を納めなかった期間分を今から納めることはできますか」

未納分を追納・納付する

国民年金保険料を後から納める方法は、未納(単に保険料を納めていない状態)の場合と、免除や猶予を受けていた場合で異なります。

区分 保険料を納付できる期間
未納期間がある場合 納付期限から2年以内であれば納付できる
免除や猶予を受けていた期間がある場合 追納制度により過去10年までさかのぼって保険料を納付できる

保険料の未納がある場合、納付期限から2年を過ぎると、時効により納付ができなくなります。

いっぽう、国民年金の免除や納付猶予、学生納付特例を受けた期間がある方は、過去10年分まで追納が可能です。追納の流れは以下のとおりです。

  • 年金事務所に「国民年金保険料 追納申込書」を提出する
  • 日本年金機構から納付書が届く
  • 納付書で保険料を追納する

なお、免除や猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降の追納分には、当時の保険料額に、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。

納付が困難な場合は免除・猶予を申請する

収入の減少や失業などで経済的に保険料の納付が難しい場合は、未納のままにせず、免除・納付猶予を申請しましょう。

申請書を提出し、承認されると、保険料の全部または一部(4分の3・半額・4分の1)の免除、もしくは納付猶予の措置が受けられます。申請できるのは、納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1ヶ月前までの期間)です。

免除を受けた場合、全額納付した場合と比べて低額になりますが、年金額に反映されます。また、猶予を受けた期間は年金額に反映されないものの、受給資格期間に算入されます。

なお、免除や猶予の対象となるのは、前年所得が一定以下の方や失業・倒産・廃業した方、震災・風水害で被災した方など、保険料を納めるのが経済的に困難だと認められた方です。

※ 出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

年金の受給額を増やす方法

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受給資格期間が10年に満たない場合や、納付済期間が40年に満たず満額を受給できない場合でも、将来受け取る年金額を増やすことは可能です。

追納以外で検討できる主な方法は、以下です。

  • 60歳以降に国民年金へ任意加入する
  • 付加保険料を納付する
  • 国民年金基金に加入する
  • 年金を繰下げ受給する

60歳以降に国民年金へ任意加入する

国民年金には任意加入制度があり、60歳から65歳になるまでの5年間、保険料を納めることで将来の年金額を増やせます。

任意加入できるのは、原則として以下の4つをすべて満たす方です。

  • 日本国内に住所がある60歳~64歳である(日本国籍を有しない一定の方を除く)
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない/li>
  • 20歳以上60歳未満までの保険料納付月数が480月(40年)未満である
  • 厚生年金保険や共済組合などに加入していない

また、65歳以上でも、年金の受給資格期間を満たしていなければ、70歳になるまで特例として任意加入が可能です。

納付月数が増えれば、それだけ将来の年金額も多くなります。また、納めた保険料は社会保険料控除の対象となるため、所得税・住民税の軽減にもつながります。

任意加入を希望する方は、60 歳の誕生日の前日以降にお住まいの市町村役場(国民年金担当窓口)で手続きを行いましょう。

※ 2025年10月時点の情報です。

※ 出典:日本年金機構「任意加入制度」

付加保険料を納付する

付加保険料(月額400円)を納付すると、老齢基礎年金に付加年金額が上乗せされ、将来の受給額を増やせます。付加年金額(年額)は、「200円×納付月数」で算出されるため、2年以上受取れば、納めた付加保険料の総額を上回ります。

  • 付加年金額(年額):付加保険料納付月数×200円

付加保険料を納付できるのは、国民年金第1号被保険者または65歳未満の任意加入被保険者です。

納付を希望する方は、お近くの年金事務所に「国民年金付加保険料納付申出書」を提出しましょう。 なお、マイナンバーカードを利用すれば、WEBでの申請も可能です。

※ 出典:日本年金機構「付加保険料の納付」

国民年金基金に加入する

国民年金基金とは、個人事業主やフリーランスの方が年金額を増やせる公的年金制度です。加入対象者は以下のとおりです。

  • 国民年金の第1号被保険者
  • 60歳以上65歳未満の方や海外居住者で、国民年金に任意加入している方

掛金の上限は月額68,000円で、選択した給付タイプや加入口数、加入時の年齢、性別によって決まります。 納めた掛金は全額が社会保険料控除の対象となり、課税所得額から控除できるため、所得税・住民税の負担も軽減できます。

ただし、国民年金基金と付加保険料の納付は併用できません。また、国民年金基金は任意に加入できる制度ですが、一度加入すると自由に脱退・中途解約できないため、慎重に検討しましょう。

※ 出典:国民年金基金「国民年金基金とは」

※ 出典:国民年金基金「税制上のメリット」

年金を繰下げ受給する

年金の受給開始年齢を遅らせるのも手段のひとつです。老齢基礎年金は原則として65歳から受給しますが、66歳以後75歳まで1ヶ月単位で繰下げが可能です。

1ヶ月繰り下げるごとに年金額が0.7%増え、最大で84%増額されます。

  • 増額率 = 0.7% × 65歳の誕生日の前日から繰下げ申出月の前月までの月数

繰下げ受給すると、一生涯にわたって増額された年金額が続くため、長生きするほど受給総額が多くなります。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰り下げることも可能です。

※ 出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

老後資金に備える方法

高齢化や長寿化などを背景に、公的年金だけで長い老後生活を支えるのが難しくなっています。特に、未納期間のある方があんしんした老後を迎えるには、公的年金以外の方法で自ら資金を準備する工夫も重要です。

この章では、公的制度以外の方法で老後資金に備える方法を紹介します。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
  • NISAを活用する

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iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自ら掛金を拠出して運用し、原則60歳以降に掛金と運用益との合計額を受取る制度です。 掛金は月々5,000円から1,000円単位で、加入区分に応じた限度額の範囲内で設定できます。

DeCoのメリットは、3つの税制上の優遇が設けられている点です。

  • 掛金が全額所得控除の対象となる
  • 運用益が非課税で再投資される
  • 受取時に公的年金等控除または退職所得控除の対象となる

いっぽうで、将来の受給額が運用成績に応じて変動するほか、原則として60歳になるまで資産を引き出せないなどの注意点もあります。

※ 2025年10月時点の情報です。

※ 出典:iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の特徴」

NISAを活用する

NISA(少額投資非課税制度)とは、投資で得た運用益が非課税になる制度です。

2024年1月に始まった新NISAでは、非課税期間が無制限になり、年間投資枠が最大360万円(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)に拡大されるなど、より長期的な視点での資産形成が可能となりました。

特に、つみたて投資枠は長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象となっており、初心者の方や長期的な視点でコツコツ積み立てたい方にも利用しやすい制度です。

なお、NISAには、iDeCoのように掛金が所得控除になる仕組みはありません。

※ 2025年10月時点の情報です。

※ 出典:NISA「NISA(少額投資非課税制度)について学びましょう。」

まとまった老後資金を確保したい場合はリースバックも検討を

資産を形成していく十分な時間がない場合でも、自宅に住み続けながらまとまった老後資金を確保できる方法として、「リースバック」があります。

リースバックとは、自宅を売却すると同時に賃貸借契約を結び、借主として家賃を支払いながら自宅に住み続ける仕組みです。

リースバックの売却代金には使いみちの制限がないため、老後の生活費や余剰資金、医療費、相続税の納付資金など、さまざまな目的で利用できます。

また、自宅の売却によって固定資産税の支払いがなくなる点に加え、引っ越す必要がないため、生活環境を変えずに済むなどのメリットもあります。

以下の記事では、リースバックの仕組みやメリット・注意点を解説しているので、あわせてご覧ください。

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国民年金の未納がある場合は早めに納付して老後に備えよう

国民年金の未納があると、将来受取れる年金額が少なくなり、納付期間によっては受給資格を満たさなくなる可能性があります。また、未納が長期にわたって続くと、最終的には財産が差し押さえられる可能性があります。

未納がある方は納付期限から2年以内であれば納付でき、免除や猶予を受けていた方は過去10年分まで追納が可能です。

付加保険料の納付や国民年金の任意加入など、年金額を増やす工夫をするとともに、iDeCoやNISA、リースバックの選択肢も検討しましょう。

アイフルグループの「AG住まいるリースバック 」では、居住期間に制限のない「普通借家契約」を結ぶため、お客様が希望すれば長く住み続けることが可能です。

WEBでの査定や電話での問合せを受付けているので、不明点や不安な点がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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    • 監修者
      • 監修者:新井 智美
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    • ファイナンシャルプランナー。2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。これまでの執筆・監修実績は3,000本以上。
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