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住宅ローンで老後に破産しないためには?返済が難しくなった際の対処法も解説
更新日:2025.05.19

住宅資金と老後資金、教育資金は人生の3大資金と呼ばれています。住宅ローンは住宅資金として利用されますが、近年は、晩婚化や働く環境の変化を受け、老後も住宅ローンを返済するケースが増えてきました。
住宅ローンの返済が滞ると、老後資金の貯え方にも影響を与え、いずれ、生活に窮する「老後破産」につながる可能性もあります。
本記事では、老後の生活と住宅ローンの関係、老後破産につながる住宅ローンの例、返済が困難になった際の対処法を解説します。
リースバックをご検討の方へ
老後の生活と住宅ローン
住宅を購入するためには、高額の資金を必要とするため、多くの方が、住宅を購入するために、住宅ローンを利用します。住宅ローンの返済は、定年までが理想ですが、昨今は、定年した後の老後期間に入っても、住宅ローンを支払い続けなければならないケースも少なくありません。
住宅ローンの支払いが老後にまで続く理由の1つは、住宅ローン開始年齢の上昇です。2024年6月に住宅金融支援機構が公表した調査によると、住宅ローンの利用を開始した年齢の分布は次のようになっています。

※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2024年4月調査)】」
2024年4月調査では、住宅ローン利用者の平均年齢は38.6歳です。最も利用開始が多い年代は30代(46.7%)で、次いで40代(23.8%)、20代(16.2%)が続きます。
2021年4月調査と比較すると、住宅ローン利用者の平均年齢は約2歳上昇しています。40代以上の住宅ローン利用者に注目すると、2021年4月調査では31.4%の水準にありましたが、2024年4月調査では37.1%に上昇している状況です。
住宅ローンの利用開始年齢が上昇すれば、完済する年齢にも影響を与えます。以下は、住宅金融支援機構が調査した住宅ローンの返済期間のグラフです。

※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2024年4月調査)】」
住宅ローンの返済期間は、30年超~35年以内が最も多くなっています。
例えば、45歳で住宅ローンを組んだ場合、完済年齢が75歳~80歳となり、定年年齢を60歳とすると、住宅ローンの支払いが、定年退職後のいわゆる老後まで続くこととなります。
老後の収入状況
老後の収入状況は個人で異なるものの、多くの方が公的年金に頼る生活を送っています。
厚生労働省が公表した国民生活基礎調査(2023年)によると、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の中で、総所得に占める公的年金、恩給の割合が100%を占める世帯の割合は41.7%で、公的年金・恩給の割合が総所得の60%以上を占める世帯の割合は、73.5%にのぼります。
金額面で見ると、高齢者世帯(65歳以上のみまたは18歳未満の未婚の者が加わった世帯)の平均所得金額は332.9万円で、その他の世帯※の平均所得金額689.5万円と比較すると、50%程度の状況です。
昨今は高年齢者雇用安定法が改正され、65歳までの雇用機会の確保や70歳までの就業機会の確保が企業に求められ、定年年齢にも変化が見られるようになりました。
しかし、現役世代と比較すると、多くの方が、老後のは収入が減少する傾向にあります。このような状況で、住宅ローンの支払いが、老後にまで残ってしまうと、生活に金銭的な負担がかかり、最悪の場合、老後破産につながる可能性もあるため、注意が必要です。
※その他の世帯とは、全世帯から高齢者世帯と母子世帯を除いた世帯です。
老後破産につながる住宅ローンの例
では、どういった住宅ローンが、老後破産の原因になり得るでしょうか。以下では、具体的な条件とともに、老後破産につながる可能性がある住宅ローンの例を紹介します。
完済時年齢が75歳以上の場合
住宅ローンには利用条件で完済時年齢が設定されており、満80歳未満とする場合が多いです。
たとえば、40歳で35年の住宅ローンを組むと完済時年齢は75歳になり、50歳で30年の住宅ローンを組んだ場合、完済時年齢は80歳です。住宅ローンの返済が難しくなった際は、返済期間を延長して月々の返済金額を減らす方法があります。
ただし、もともと、完済時年齢を高く設定している住宅ローンの場合、返済期間を延長することができる余裕が少ないので、月々の返済金額を減らす方法を取ることも難しくなります。
退職後の返済負担率が高い場合
返済負担率とは、住宅ローンの年間返済金額が年収に占める割合のことで、融資審査で重要な指標です。
住宅金融支援機構の調査によると、住宅ローンを利用された方の内、返済負担率が15%超~20%以内であった方が、全体の約4分の1を占めました。この調査結果から、住宅ローンの返済金額が、年収の15%~20%程度であれば、家計への負担も少ない状況で住宅ローンを支払えるといえます。
ただ、注意したいのは、上記の返済負担率は、住宅ローンを組んだ時点の割合である点です。老後は、収入が減少し、住宅ローンを組んだ時点より、返済負担率が高まる可能性があります。その結果として、月々の住宅ローンの支払いが負担になり、老後破産につながる場合もあるため、注意が必要です。
ボーナス返済が負担になる場合
ボーナス返済は、月々の返済金額に加えて、ボーナス月に返済金額を増額して返済する方法です。
住宅ローンの多くは、ボーナス返済を設定することができます。ボーナス月にまとまった金額を返済すると、月々の返済金額を抑えられる点がメリットです。
ただし、退職後もボーナス返済を設定したままにすると、ボーナスの支給がないにもかかわらず、設定したままのボーナス月に、多額の返済をしなければならなくなり、生活の経済的負担が大きくなる場合があります。
想定外の出費が必要になった場合
老後の生活では、食費や光熱費だけでなく、医療費や自宅の修繕費、子どもや孫の教育費などが必要になるかもしれません。特に、医療費は生涯で必要な費用(約2,300万円)のうち、50%は70歳以上で必要となると言われています。
定年退職後の老後期間に入っても住宅ローンを支払っていくことを考慮して、ライフプランを考えていても、上記のような想定外の出費により、住宅ローンの返済が困難になるケースが考えられます。
老後に住宅ローンの返済が難しくなった際の対処法

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関から督促などが行われた後、最終的に自宅が処分される可能性があります。老後破産を回避するためにも、早めの対処を心がけましょう。
家計の収支を見直す
家計の収支の見直しは、住宅ローンの滞納を防ぐために有効な手段です。
例えば、支出の見直しには、保険料や通信費などの固定費の見直しが有効です。ほかにも、生活習慣を振り返ったり、家計の無駄を省いたりすると、節約につながります。
収入の見直しには、公的年金の繰り下げ、繰り上げ受給や再雇用・再就職制度の活用、資産運用などが挙げられます。
昨今は、国による手厚い高齢者の就労支援が実施されており、働きやすい環境が整えられつつある状況です。月々の収入を増やせれば、住宅ローンの返済に充てるお金を増やせます。
金融機関に相談する
老後に、住宅ローンの返済が難しくなった際は、借入先の金融機関と相談してみましょう。金融機関では、住宅ローンの返済が困難になった方に向け、いくつかの返済方法の変更を受け付けています。返済方法の主な変更例は以下です。
- 返済期間の延長
- 一定期間の返済金額の減額
- ボーナス返済の見直し
- 元金のみの返済
住宅ローンの返済期間を延長すると、月々の返済金額を減らせます。一定期間の返済金額の減額は、限られた期間の返済の負担を軽減する方法です。定年退職して、ボーナスの支給がなくなったのであれば、ボーナス返済の見直しも有効な選択肢です。
なお、住宅ローンの返済方法の変更は、あくまで返済の猶予であって、住宅ローンの返済が免除されるわけではありません。住宅ローンの返済方法の変更をするためには条件があり、場合によっては変更できないことがあることにも注意が必要です。
また、信用情報機関に、返済方法を変更したという情報が登録されることにより、様々な影響が出る可能性にも注意しましょう。
リースバックを活用する
家計の見直しや金融機関との相談を実施しても、住宅ローンの返済が難しい場合は、リースバックの活用も検討してみましょう。
リースバックは、自宅をリースバック事業者に売却して、売却代金を受け取り、売却した自宅について、リースバック事業者との間で、賃貸借契約又は借家契約を結んで、賃借人として売却した自宅に住み続ける仕組みです。自宅の売却代金で住宅ローンを完済でき、余ったお金を老後の生活資金に充てられます※。
リースバックを利用する場合は、自宅を売却した後も、引越しせずに、賃借人として、売却した自宅に住み続けられる点がメリットです。住宅ローンを解消したいけれど、住み慣れた生活環境を変えたくない方におすすめの仕組みです。
ただし、リースバック事業者との間の契約内容によっては、賃貸借契約を更新することができなかったり、売却した自宅の買戻し(再売買)が難しかったりする場合もあるため、ご注意ください。
※残債残高によっては利用できない場合があります。
住宅ローンは老後の生活に必要な資金を考えて利用しよう
住宅ローンを利用する場合は、老後に必要な生活資金を準備しなければならないことを考えて、余裕を持って借入れを行うことが理想的です。
しかし、住宅ローンを利用される方の個々のライフプランによっては、住宅ローンの返済が、定年退職後の老後まで、続く可能性も考えられます。
住宅ローンの返済が滞ってしまうと、老後破産につながるリスクがあります。住宅ローンを組む際は、何歳で完済できるか、定年退職後の老後の収入で、返済が続けられるかを考えて利用しましょう。
住宅ローンの返済が難しくなった場合は、リースバックの活用も有効です。AG住まいるリースバックでは、売却した自宅に住み続けるために、売却した自宅について、居住期間に制限のない普通借家契約を締結することができるリースバックを提供しています。
AG住まいるリースバックは、住宅ローンの残債がある方でもお申込みが可能です※。売却後の自宅に賃借人として住み続ける場合に、賃料の支払いは必要ですが、礼金や火災保険料、賃貸借契約の更新料の支払いは必要なく、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税も0円です。
リースバックの活用をご検討の方は、AG住まいるリースバックまでぜひご相談ください。
※残債残高によっては利用できない場合があります。
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- 監修者:竹下 昌成
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- プロフィール:
- 立教大学卒業後、銀行、ノンバンク、住宅メーカーFPなどを経て現職。 大家業をメインに講師や執筆監修活動、相談業務を行う。
- 資格情報:
- CFP(日本 FP 協会会員)、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、奨学金アドバイザー、少林寺拳法3段ほか
- HP:https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/