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老後の住まいをどうする?住み替えを含めた選択肢とメリット・デメリットを紹介
更新日:2025.05.19

日本人の多くは、30~50代の内に戸建住宅や分譲マンションなどを購入しており、日本では、マイホームを老後の住まいとする考え方は広く定着しています。
確かに、マイホームは、個人にとって大きな資産で、安心して暮らせる終の棲家として適しています。
しかし、老後の住まいとして考えたとき、「夫婦ふたりには広すぎる」、「管理や維持の負担が大きい」など、様々な問題もあります。
本記事では、マイホームにとらわれず、老後の住まいを考えるときの選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを解説します。あわせて、快適な住まいを手にするための手段としてリースバックの活用法も紹介します。
リースバックをご検討の方へ
もくじ
老後の住まいの現状
2023年に実施された総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、戸建住宅やマンションなどの内、持ち家の占める割合(持ち家住宅率)は60.9%です※1。
持ち家住宅率をさらに詳しくみてみると、高齢者のいる世帯で81.6%、高齢者のいる夫婦のみの世帯で87.6%と、老後の住まいとして持ち家を所有する割合は、持ち家住宅率全体の8~9割を占めています※1。

また、日本では、30~34歳では、3割程度の世帯が、マイホームを購入し、40~44歳では、マイホームを購入する割合が55.9%と半数を超えるとのデータがあります※2。

出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 ライフステージでみる日本の人口・世帯」
以上のデータから、20代から30代で、結婚や子どもの出産などを経て、家族構成や生活環境が変化することに伴い、マイホームを手に入れるというライフスタイルステージが、日本人に浸透していると想像されます。
しかし、ライフステージに合わせて購入したマイホームも、子どもの独立やご自身の退職、体力面の変化などの様々な事情から、住みやすい場所ではなくなったと感じる方も珍しくありません。
実際、「令和6年版高齢社会白書」によると、60~64歳の約4割が住み替えを検討しているとの結果が出ています※3。

令和4年時点で、65歳以上の人がいる世帯数は2,747万4千世帯と、全世帯(5,431万世帯)の50.6%を占めているため、このような結果は、高齢化や核家族化の影響もあるのではないかと考えられます※4。

今後は、ますます、高齢化や核家族化が進むことが予想されますから、老後の住まいは、マイホームが主流ではあるものの、今後も、住み替えを検討する方は増えると予想されます。より良い老後の生活に向けて、マイホームからの住み替えにはどういった選択肢があるかを理解した上で、適切な判断を下す姿勢が大切です。
※1出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」
※2出典:総務省統計局「令和2年国勢調査 ライフステージでみる日本の人口・世帯」
※3出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
※4出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
老後の住まいには高齢者に配慮された住宅がおすすめ
老後、住まいの住み替えを検討する方が重視するポイントには、買い物や交通の便・医療や福祉の充実・災害への強さなどの「地域に求める環境」に次いで、「高齢者に配慮された住宅」が上位にあがっています※。
では、「高齢者に配慮された住宅」を満たす住み替えには、どういった選択肢があるか具体的に紹介します。
① シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、現時点で自立した生活を送れる方が、介護が必要になったときに備えて購入する住まいです。
- 通常の分譲マンションと同じく購入者の資産となる
- 不動産の購入となるため、初期費用が高額になりやすい
- 娯楽設備などを備え、活動的に暮らせる
シニア向け分譲マンションは、民間事業者が運営していて、高齢者が暮らしやすいバリアフリー化された建物や居室のため、将来、体が不自由になっても安心して暮らせます。また、分譲マンションのため、マイホームと同じくご自身の資産となり、売却や相続も可能です。
一般的な分譲マンションとは違い、シニア向け分譲マンションには、フィットネスジムやカラオケなどの娯楽施設、レストラン、食事提供や24時間のフロントサービスなどを提供する物件も多く、ご自身の求める生活を実現しやすい物件を選ぶと、快適な生活を実現しやすいでしょう。
ただし、シニア向け分譲マンションへの住み替えは、不動産の購入となるため、数千万円~数億円と多額の初期費用が必要になります。また、原則として、自立した生活を送る高齢者を対象とするため、介護サービスの提供は約束されておらず、状況が変われば暮らし続けるのが困難になる場合も考えられます。
そして、シニア向け分譲マンションは、「シニア向け」の特殊な物件のため、転居したくなったとしても、売却に時間がかかる可能性もあるでしょう。
シニア向け分譲マンションへの中には、充実した設備とサービスを利用するために、管理費や利用料といったランニングコストが高額になる物件もありますので、ご自身の予算や希望する生活環境にあった物件かどうかを確認するようにしましょう。
② シニア向け賃貸住宅
先ほどのシニア向け分譲マンションと同じように、当面は自立した生活を続ける場合は、シニア向け賃貸住宅も選択肢でしょう。
- ご自身のタイミングで転居しやすい
- 持ち家とは違い、相続問題や空き家問題に頭を悩ませなくてよい
- 一般的な賃貸住宅とは異なり、バリアフリー化されている
シニア向け賃貸住宅は、一般的な賃貸住宅とは異なり、建物や居室がバリアフリー化されている点が特徴です。シニア向け分譲マンションと同じように、民間事業者が運営しており、通常、将来の介護サービスは約束されません。
しかし、シニア向け賃貸住宅の中には、不安や悩みを相談できる生活支援員が常駐するところもあります。
シニア向け賃貸住宅に住み替えた場合、毎月の家賃が必要ですが、賃貸住宅のため建物の維持や管理の負担がなく、シニア向け分譲マンションを購入するのに比べると経済的な負担を抑えられるでしょう。
ただし、シニア向け賃貸住宅は、一般的な賃貸住宅よりまだまだ物件数が少ない、介護状態によっては暮らしにくくなるなどの注意点があります。
③ 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、国や都道府県の認可を受けた事業者が運営しています。
- 自立している方から要支援・要介護の方まで利用できる
- 初期費用が低いため、退去しやすい
- 生活支援や介護サービスを利用できる
有料老人ホームは、老人福祉法に基づいた「食事の提供」「介護の提供」「家事の供与」「健康管理の供与」の内、いずれか1つ以上のサービスを受けられる施設です。一定の要件を満たし、都道府県へ届け出て知事の指定を受けた民間事業者が運営できます。
有料老人ホームには、「健康型」、「住宅型」、「介護付」の3種類があり、介護の必要性に応じて選びます。
種類 | 健康型有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | 介護付有料老人ホーム |
---|---|---|---|
対象者 | 原則自立した方 | 原則誰でも利用可能 | 原則要介護の方 (施設により異なる) |
サービス | 食事や家事のサポート (要介護になれば、退去が必要) |
生活支援や食事提供など (介護が必要になれば、サービス事業所と契約が必要) |
生活支援・身体介護・リハビリ・食事サービスなど |
それぞれ、介護の必要性に応じて、利用対象者や提供される介護サービスが異なるので、例えば、「健康型有料老人ホーム」で暮らす方が要介護状態になれば、施設の利用対象者から外れるため、「健康型有料老人ホーム」からは、退去しなければなりません。
そして、有料老人ホームを利用するためには、入居一時金と毎月の利用料がかかりますが、入居者の介護には、介護保険が適用され、各種サービスを安価で利用することができます。
一方、サービス付き高齢者向け住宅は、シニア向けとして適した設備やサービス、基準を満たし、国に認定された民間の賃貸住宅です。自立している方も要支援・要介護の方も利用することができます。
同じ賃貸住宅でも、シニア向け賃貸住宅とは異なり、サービス付き高齢者向け住宅は、居住者の見守り(安否確認)や生活相談の提供が義務付けられており、いざというときに頼れる存在がいるため安心して暮らせます。
サービス付き高齢者向け住宅は、毎月の家賃が必要ですが、入居一時金がかからないところも多く、状況に合わせて、気軽に退去もし易いでしょう。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅は、一般的な賃貸住宅より家賃は高めの傾向です。
④ 介護保険施設
介護保険施設は、介護保険法に基づいた介護保険サービスを利用できる公的な入居施設です。
- 要介護の方が利用できる
- 初期費用はかからず、介護や食事などを含めた月額費用も低め
- 施設によっては個室ではない可能性もある
介護保険施設は、利用目的に応じて3種類に分かれます。
種類 | 特別養護老人ホーム(特養) | 介護老人保健施設(老健) | 介護医療院・介護療養型医療施設 |
---|---|---|---|
対象者 | 要介護3以上の方 | 要介護1以上の方 | 要介護1以上の方 |
サービス | 生活支援や食事提供などを含む介護サービス | リハビリを中心に、生活支援や食事提供などを含む介護サービス | 長期入院を目的に、生活支援や食事提供などを含む介護サービス |
また、特別養護老人ホーム(特養)以外の介護老人保健施設や介護医療院・介護療養型医療施設は、要介護度に合わせた一時的な利用を前提とした施設です。
介護保健施設には、入居一時金が必要なく、住居費や食費、サービスには介護保険が適用されるため、経済的負担を抑えられるでしょう。
特に「終の棲家」ともなる特別養護老人ホーム(特養)は、利用希望者が多く、地域によっては待機が必要な場合もあります。
老後にマイホームを手放すメリットとデメリット

体に負担をかけず、身体に不自由が生じたときの備えとなる老後の住み替えには、さまざまな選択肢があります。
しかし、せっかく手に入れたマイホームを手放すのは大きな決断となるため、十分な検討が必要です。
老後の住まいを決めるときに、後悔のない選択ができるように、マイホームを手放すメリットとデメリットを紹介します。
マイホームを手放すメリット
マイホームを手放すと、以下のメリットがあると考えられます。
- マイホームの売却によって、新たな住まいへ入居する資金を準備できる
- マイホームの維持・管理にかかる負担が不要になる、または軽減される
- 住み替えによってよりよい暮らしを実現できる
マイホームを売却すると、売却代金としてまとまった資金を得られるため、住み替えに必要な入居資金を準備できるでしょう。
しかし、マイホームの売買契約が成立すれば、退去が必要となり、速やかに入居先を決めて引っ越す必要がある点に注意が必要です。
住宅の所有者として、ご自身で行ってきた持ち家の維持や管理にかかる負担が不要になる点もメリットのひとつです。住み替え先が、シニア向け分譲マンションの場合は、従来同様に、物件の維持や管理の負担は残りますが、戸建住宅に比べると軽減するでしょう。
さらに、マイホームの売却代金にもよりますが、夫婦ふたり暮らし・ひとり暮らし、生活のしやすい環境、介護サービスの提供など、ゆとりある資金を元手に、ご自身の希望に応じた住まいを手に入れられます。
マイホームがマンションの場合、年々上がり続ける修繕積立金や管理費の負担がなくなる点に魅力を感じる方もいるでしょう。
マイホームを手放すデメリット
マイホームを手放すと、以下のデメリットにつながる場合があります。
- マイホームの住宅ローンを返済中だと売却できない場合がある
- ご自身のタイミングや希望する金額で売却できるとは限らない
- 相続トラブルにつながる可能性がある
マイホームの購入には、ほとんどの方が住宅ローンを利用しています。ローンの対象となる物件には金融機関により抵当権を設定されるため、住宅ローンを完済しなければマイホームを売却できません。
家の住み替えでは資金とタイミングが課題となります。
住み替え先によっては、売却代金では入居にかかる初期費用を準備できない可能性もあります。また、一般的な不動産売却は、通常3カ月~6カ月程度、長ければ1年程度の期間がかかるとされています。
マイホームを売って住み替えようと思っても、ご自身の希望する売却価格やタイミングで売れるとは限らない点に注意が必要です。
また、子どもなど相続人がいる場合、相談なくマイホームを売却すると、相続トラブルに発展する可能性もあります。逆に、相続しやすいようにマイホームを売却するケースもあるため、現状と相続人の意向をよく確認しながら進めると良いでしょう。
老後の住まいを検討するタイミング
老後、住み慣れたマイホームから新しい住まいへ移るかどうか検討する場合、できる限り早めのタイミングであることが重要です。
住み替えの目的、住まいに求める条件などによって異なりますが、ご自身の希望を満たす住まいを手に入れるには、入念なリサーチや資金の準備などに時間がかかると考えられるためです。
社会情勢や周辺環境の変化などにより、マイホームの資産価値は変わります。より良い条件で売却できるように、計画的に売却をすすめることも必要です。
さらに忘れてはならないのが、年齢を重ねたことによる体力や気力の衰えです。健康面や体力面の不安、病院へ定期通院中などの理由から、住み替えたいけれどなかなか行動に移せないと感じる方も多いようです※。
老後の住み替えは、思いついたときこそが検討のタイミングです。元気に動けるうちから行動に移しましょう。
※出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」
マイホームを維持しながら老後の住まいを検討できるリースバックの活用を
ご自身の希望に合わせて老後の住まいを検討したいと思っても、立ちはだかる問題はいくつもあります。
まず、最大の課題となるのが住み替えにかかる資金です。特に住宅ローンを返済中だと、完済するための資金も必要となるため、住み替えのために十分な資金を用意できない可能性があります。
さらに、マイホームの売却と住み替え先へ移るタイミングの調整も、むずかしい課題のひとつです。売却できたのに住み替え先が決まっていない、住み替え先が見つかったのに、なかなか売却できないなど、タイミングが悪くて計画を阻まれる場合もあるでしょう。
老後に住み替えを検討しても不安を払拭できないときは、リースバックの活用がおすすめです。リースバックでは、売却後のマイホームに、賃借人として賃料を払って住み続けながら、使い道の自由な資金を手にできます。
リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を得ながら、賃貸物件として売却したマイホームで暮らせる仕組みです。
通常の不動産売買とは異なり、リースバック業者との間でマイホームの売買契約を締結しますので、通常の不動産売買よりも早く、売却代金を得られます。さらに、マイホームを売却した後も、リースバック事業者へ家賃を支払えば、売却したマイホームに住み続けられるため、住み替えのタイミングを調整するのに苦労しません。
住宅ローン返済中でも利用できるリースバック事業者が多いため、ローンの完済を気にせず、マイホームの売却を申し込みやすいでしょう。
老後の住まいの資金を得るためにAG住まいるリースバックも選択肢の1つに
日本ではシニア層の持ち家住宅率が高く、多くの方が働き盛りの30代から40代のときに購入したマイホームで暮らしています。しかし、子どもの独立やご自身の退職、健康面への不安、周辺環境の変化などから、住み替えを検討する方が増えています。
老後の住まいとしては、シニア層に配慮した住宅や介護サービスを受けられる施設などが選択肢にあげられます。
ただし、それぞれ、住み替えにかかるコストや受けられるサービス、入居対象者など条件に違いがあるため、ご自身の希望や状況に合わせて、比較・検討しましょう。
もし老後の住まいを準備することを検討しているものの、資金面や売却のタイミングでお悩みの場合、AG住まいるリースバックをご検討ください。
AG住まいるリースバックは、東証プライム上場のアイフル株式会社のグループ会社が経営するリースバック事業者で、住宅ローン返済中の物件や将来の買戻しにも対応するなど、お客様のご希望にそった柔軟なご契約をサポートしています※。
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- 監修者:竹下 昌成
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- プロフィール:
- 立教大学卒業後、銀行、ノンバンク、住宅メーカーFPなどを経て現職。 大家業をメインに講師や執筆監修活動、相談業務を行う。
- 資格情報:
- CFP(日本 FP 協会会員)、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、奨学金アドバイザー、少林寺拳法3段ほか
- HP:https://mbp-japan.com/hyogo/fp-takeshita/