リースバックとは、ご所有の不動産を売却しても、
新たな所有者との賃貸契約を結ぶことで、
賃料を支払いながら引き続きその不動産に
住み続けることができます。
また、将来的に
買い戻しができる点も魅力のシステムです。
リースバックの家賃相場や売却価格はいくら?計算方法やシミュレーションも紹介
更新日:2024.01.23
リースバックは自宅を売却して現金化したあと、事業者と賃貸借契約を結んで住宅を借りる仕組みです。
リースバックには売却後も自宅に住み続けられるメリットがありますが、契約後は家賃の支払いが必要になります。「リースバックに興味があるけど、家賃はいくらぐらいになるのだろう」と気になる方もいるかもしれません。
本記事ではリースバックの家賃相場や計算方法、具体的なシミュレーションを紹介します。家賃を抑える方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
リースバックをご検討の方へ
リースバックの家賃相場
リースバックの家賃相場は条件などにより違いはありますが、一般的に自宅の売却価格の6~8%にあたる金額が年間の家賃相場といわれています。
売却価格に乗算される6~8%は、期待利回りと呼ばれる数値です。期待利回りとはその不動産が1年間でどれくらいの収益を見込めるか数値化したもので、リースバックの家賃の多くは、不動産で期待される収益を基準に決められます。
期待利回りは、社会情勢や経済状況、地価の変動などをもとに、リースバック事業者がそれぞれ計算して設定します。そのため、A社の家賃設定の期待利回りが6%、B社の家賃設定の期待利回りが8%と異なる場合も少なくありません。
また、リースバックの家賃は計算方法も、リースバック事業者によりさまざまです。
先述の売却価格に期待利回りをかけて計算するほか、一般の市場査定や周辺相場と期待利回りを組み合わせて算出したり、売却価格による試算と社内規定に基づいて算出したりする方法を採用する事業者もあります。
リースバックの家賃相場をみる際は、上記のようにリースバック事業者で計算方法に違いがある点は覚えておきましょう。
リースバックの売却価格・家賃の計算方法
リースバックの家賃は、先述のようにリースバック事業者で違いがあります。ここでは、代表的な方法である売却価格に期待利回りをかけた計算方法を紹介します。
売却価格の計算方法
リースバックの売却価格は、一般的に市場価格の70%程度が目安です。
- 市場価格×70%=リースバックの売却価格
たとえば、市場価格が1,000万円である場合、リースバックの売却価格は700万円程度となります。
- 1,000万円×70%=700万円
リースバックでは、事業者は買取後に物件を利用者に賃貸するため、自由に売買することができません。不動産価格の下落リスクを事業者が抱えることから、市場価格よりも低い売却価格が設定されるケースがあります。
市場価格と売却価格の差は、流通性の高い人気のエリアほど少なくなる傾向にあります。そのほか、物件の築年数や設備の状態、周囲の市場価格なども、売却価格に影響を与える要素です。
なお、売却価格の設定の仕方も、リースバック事業者で異なります。市場価格の70%程度というのはあくまで目安なので、実際に自宅を売却するときには具体的な計算方法や査定結果をもとに判断しましょう。
家賃の計算方法
リースバックの家賃を期待利回りで算出する計算式は以下のとおりです。
- 家賃(月額)=売却価格×期待利回り(6~8%)÷12ヶ月
たとえば、売却価格が700万円で期待利回りを8%に設定した場合、月々の家賃は約47,000円となります。
- 700万円×8%÷12ヶ月=46,666,666円≒約47,000円
ただし、不動産の価格や期待利回りは地域差や経済状況などさまざまな要因が存在するため、あくまで目安である点に注意が必要です。
リースバックの家賃シミュレーション
それでは、リースバックを利用した際の家賃はいくらになるのでしょうか。さきほどご紹介した計算式を例に、売却価格ごと、期待利回りごとの家賃をシミュレーションしてみましょう。
売却価格 | 月々の家賃(期待利回り6%) | 月々の家賃(期待利回り8%) |
---|---|---|
1,000万円 | 50,000円 | 67,000円 |
2,000万円 | 100,000円 | 133,333円 |
3,000万円 | 150,000円 | 200,000円 |
5,000万円 | 250,000円 | 333,333円 |
1億円 | 500,000円 | 666,666円 |
上表をみると、売却価格が高くなるほど、月々支払う家賃も高くなることがわかります。また、設定される期待利回りが大きくなるにつれ、家賃も高くなる仕組みです。
リースバックを利用する側としては、売却価格はできるだけ高く、月々の家賃はできるだけ安くしたいところです。次の章では、リースバックの家賃を抑えるためのポイントを紹介します。
リースバックの家賃を抑える方法
リースバックの家賃を抑えるには、主に以下の方法があります。
- 売却価格を低く設定する
- 複数のリースバック事業者に査定を依頼する
- 定期借家契約を選択する
各方法を詳しく紹介します。
売却価格を低く設定する
リースバックの家賃は売却価格を基準に設定されるケースが多いため、売却価格を低く設定することで家賃を抑えられる可能性があります。リースバック事業者は月々の家賃収入が減っても、買取価格を抑えられれば収益が成り立つためです。
したがってリースバック利用後の家賃負担を抑えたい場合は、リースバック事業者と相談し、売却価格を低く設定する方法もひとつの手段です。ただし、受取れる売却代金も少なくなるので、慎重に検討しましょう。
リースバックの家賃や売却価格はリースバック事業者が査定しますが、金額の交渉は可能です。手元に残るお金を月々の負担のバランスを考慮し、ご自身の希望を伝えたうえでリースバック事業者と相談してみましょう。
なお、売却価格を低く設定すると、将来的に買い戻すときの価格も低くできる可能性があります。現在必要な資金だけを調達できればよい場合は、売却価格を下げ、家賃を低くするかたちでリースバックを利用する方法も考えられます。
複数のリースバック事業者に査定を依頼する
家賃の期待利回りの設定は、物件の状況や築年数、リースバック事業者の方針などで異なります。どのような金額の家賃や売却価格が提示されるかは、事業者によって異なるケースが一般的です。
そのため、できれば複数のリースバック事業者に査定を依頼して、金額や内容を比較・検討しましょう。
複数のリースバック事業者の査定結果を比較・検討すると、自宅の売却価格や家賃の大まかな相場が見えてきます。よりご自身の希望に合った条件でリースバックを利用することにつながるでしょう。
近年では、オンラインで無料査定のサービスを実施するリースバック事業者もあります。環境が整ってきている点も、複数の査定をおすすめする理由のひとつです。
定期借家契約を選択する
リースバックでは、自宅の売却後にリースバック事業者と賃貸借契約を結び、家を借ります。賃貸借契約には定期借家契約と普通借家契約があり、一般的に定期借家契約のほうが期待利回りは低く設定されやすい傾向です。
定期借家契約とは、期間満了により契約が終了し、更新のない借家契約です(双方の合意により再契約は可能)。一方、普通借家契約は契約期間の定めがなく、正当な事由がない限り契約は更新されます。
家賃の金額を重視する場合は、定期借家契約を選択する方法は選択肢のひとつです。実際、多くのリースバック事業者では定期借家契約の契約形態を採用しています。
ただし、定期借家契約を選択した場合、希望する期間住み続けられない可能性も考えられます。契約を締結する前に契約更新や再契約の条件などの説明を受け、ご自身の希望に合った利用の仕方ができるか確認しましょう。
リースバックの家賃相場は個別の条件で違いがある
リースバックの家賃は、一般的に売却価格に期待利回りをかけて算出されることがあります。設定される期待利回りや家賃の計算方法はリースバック事業者や物件の状況などで違いがあるので覚えておきましょう。
家賃を抑えたい場合は、リースバック事業者と相談して売却価格を抑えたり、複数の事業者で査定を受けて結果を比較・検討したりする方法がおすすめです。
AG住まいるリースバックでは、無料査定や資料請求が可能です。仮査定後には担当者が訪問し、物件の本査定を行います。将来的な物件の買戻しも可能なAG住まいるリースバックを、この機会にぜひご検討ください。
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- 監修者:
- 飯田道子
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- プロフィール:
- 海外生活ジャーナリスト。金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。どの金融機関にも属さない独立系FP。海外移住にも対応しており、特にカナダや韓国への移住や金融・保険情報を得意としている。
- 資格情報:
- ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
- HP:https://paradisewave.jimdofree.com/